2014年11月14日金曜日

アルゴリズムが世界を支配する

タイトルにアルゴリズムとあるが、中身の多くは最近良く話題になる人工知能について割かれている。アルゴリズム自体の話よりも、いかに使われてきたか、それを開発した人たちにどのようなドラマがあったかを中心にまとめられている。

ウォール・ストリートの株式市場で人工知能が使われていることは有名だが、本書によると1987年ころには早くも使われていたとのことだ。正直、インターネットも一般的に普及していないような時代から利用されていたとは意外であった。

また、本書の別の箇所では、山をぶちぬいて二地点間を直線に高速回線を引いてしまうエピソードが載せられている。「最低でも2億ドル」と本書が述べる工事予算に出資していまう投資家がさらりと現れるところが、なんともアメリカらしい逸話だ。

金融以外では、音楽の自動作曲を試みた大学教授の話が興味深い。楽曲自体は優れたものでありながらも、自動生成されたということを知った途端、聴衆の興味が削がれている様など、古くから人工知能の限界に挑んでいた様子が詳細に描かれている。


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