2020年7月27日月曜日

[読書感想文] Measure What Matters


Measure What Matters

日本語版はこっち
Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR

Who should read this?

OKRを会社で導入した、あるいは導入しようとしているが、いまいちこれでいいのかわからなくてしっくりこない感覚を持っている人。


Impression

OKRの使い方はとてもシンプルなものである。わくわくするような目標としてのObjectiveと、それをどうやったら実現できるのか見える化するための指標としてのKey Resultを作成するだけである。ただ、シンプルが故にどのようにでも応用できてしまうので、それを効果的に会社組織に適用するのはなかなかハードルが高い。MBOなどのそれまでの方式と根本的に何が違うのか、という感想は多くの人が抱いたことがあると思う。

「覚えるのは1分 極めるのは一生」はオセロのルールとしてのシンプルさと、ルールを使用したときの奥深さを表す表現として有名だが、OKRにも同様のことが言えるだろう。

本書の前半(Part 1)は、GoogleやIntelなどを始めとする企業がどのようにOKRを導入し、どのような効果を実感しているかが紹介されている事例集となっている。過去の棋譜を読むような気持ちで、先行研究をするのに最適である。

後半(Part 2)は、OKRと並列して導入されるべきツールであるCFRについて触れられている。CFRはCommunication(対話)とFeedbackとRecognition(承認)を意味する。ObjectiveとKey ResultをOKRで設定したあと、CFRによって十分な関係をメンバと築くことが推奨されている。

下記は本書で紹介されていた図である。シンプルでわかりやすく、また個人的にとても印象的だったので、ここに紹介する。OKRを評価・昇給と直接連動しないように切り離したものにしつつ、CFRによって対話・フィードバック・承認を行うことを意味しており、ただ単にOKRだけを導入することの不十分さがひと目で分かる。





2020年5月12日火曜日

[読書感想文]Accelarate


Accelarate

日本語版はこっち。
LeanとDevOpsの科学[Accelerate] テクノロジーの戦略的活用が組織変革を加速する


Who should read this?

少々おすすめ先に悩む本である。

DevOpsのプラクティスの効果について理論付けがなされているので、DevOpsを自社に導入したい人にはいいかもしれないと思ったが、今の時代においてそもそもDevOpsを導入していないステージの会社にはいろいろと前提がかけているために読みやすさかける本になっているだろう。

普段実践していることについて、主観的・感覚的には正しさを信じているのだが、それだけでは飽き足らず、客観的な裏付けがほしい、みたいな人が読んで嬉しい本になるのかもしれない。

Impression

DevOpsやLeanの手法に知見のある人には、少々退屈な本に映るかもしれない。いわば業界の常識となったプラクティスがデータに基づいて結論として書かれている。後半はServeyを行う際の理論や手法について書かれており、このあたりもDevOpsとLeanに興味があって本を手にとった人には期待はずれに思えるかもしれない。

普段当たり前と信じていたことが、 科学的な理論に基づいたServeyによって得られたデータによって裏付けられたことがわかるのが本書の利点だろうか。

2020年3月8日日曜日

[読書感想文]バイリンガル教育の本

2冊ほど呼んだ。同じような内容であり、同じような感想を持ったのでまとめて書く

読んだ本

子どもの未来を広げる「おやこえいご」 ~バイリンガルを育てる幼児英語メソッド~
おうちでほぼバイリンガルの育て方

まとめ


日本人夫婦が日本で子育てを行い、子供をバイリンガルに育てる実践が書かれている。
インターナショナルスクールなどには通わせず、最低限の英語教室と母親による家庭教育が中心の様子。

子どもの未来を広げる「おやこえいご」 ~バイリンガルを育てる幼児英語メソッドの単著者を含む、計4人が自身の子供をバイリンガルに育てた経験を綴った本。実践内容の細かい違いはあるが、大抵は母親の献身的な本、DVD、Youtubeを使った大量の英語のシャワーを行っているようである。

感想

やはり、尋常でない母親の献身ぶりが目を引く。大量の英語の本やYoutubeを駆使して、英語をインプットさせ、母親が自然な雰囲気で英語で話しかけることにより、英語力を身に着けさせているようだ。

英語の本やYoutubeを見せるあたりは安価であるので、親のモチベーション次第で真似はできそうである。他のバイリンガル本と同じく、育った子供がどの程度、英語と日本語が身についているのか、客観的に伺い知れる情報がないことだけが残念か。

[読書感想文]バイリンガルを育てる

バイリンガルを育てる

まとめ

英語教育やバイリンガル教育が専門の湯川笑子博士が自分自身の二人の子供にバイリンガル教育をさせたときの記録集。体験や観察をもとに論文も書いているようであり、詳細な記録は参考になる。

教育内容として大きく目をひかれるのは下記のような事柄

  • 子供には常に英語で話しかける。
  • 幼少期に英語の本の読み聞かせを毎日30分から2時間程度
  • ネイティブなEnglish Speakerと多くの交流があり、自宅にホームステイさせたり等、子供をInternationalな環境においていた。
  • 子供は幼少期に海外で教育させた。
    • 長男。4ヶ月-1歳半と5歳5ヶ月-5歳10ヶ月までハワイ、6歳-8歳ころにスウェーデンの幼稚園、学校に通う
    • 長女は4歳-5歳ころにスウェーデンの保育園に通う

感想

おうちでバイリンガルおやこえいごなどを読んだときも同じ感想を抱いたが、やはり親(特に母親)の尋常でない献身ぶりが目を引く。毎日2時間も英語の本を読み聞かせるだけでも、尋常でない気力が必要だし、ましてや海外に引っ越して現地の教育を受けさせるなどというのは並々ならぬ覚悟がいるだろう。著者の場合は、自分の研究テーマと同一していることもあり、仕事のキャリアと英語教育のメリットを同一化させられたのも大きな要因であろう。

参考にはなるが、一般的な日本人にとってすぐさま真似できそうな実践はなさそうである。また、結局この本で行ったバイリンガル教育の結果、成人した子どもたちがどのような英語力・日本語力が身についたのかが不明なのも実践の効果を伺い知れる情報がなく残念ではある。



2020年2月29日土曜日

Programming Kubernetes: Developing Cloud-Native Applications

Programming Kubernetes

by Stefan Schimanski, Michael Hausenblas
Released July 2019
Publisher(s): O'Reilly Media, Inc.
ISBN: 9781492047094
Explore a preview version of Programming Kubernetes right now.

O’Reilly members get unlimited access to live online training experiences, plus books, videos, and digital content from 200+ publishers.What the book is for?
The books describes about how to customize kubernetes engine itself. It doesn't describe about how to make an application on kubernetes. Thus it helps to understand how kubernetes controllers and components works.

Programming Kubernetes

Who should read the book?

Anyone who would like to understand controllers and components running under the hood.
Anyone who would like to the architecture of kubernetes.
Anyone who would like to make custom controllers. 
Anyone who aspires to be a kubernetes contributer.
Anyone who would like to know about client-go library. 



Impression

The book is for advanced level kubernetes developers. Before reading the book, it is recommended to have understanding on what kubernetes controllers, API servers and Operators are and how they behave. Some experience of kubernetes application development might be good to understand the book deeply.




2019年12月22日日曜日

Designing Distributed Systems

Designing Distributed Systems

Patterns and Paradigms for Scalable, Reliable Services
By Brendan Burns
Publisher: O'Reilly Media
Release Date: February 2018
Pages: 166

Without established design patterns to guide them, developers have had to build distributed systems from scratch, and most of these systems are very unique indeed. Today, the increasing use of containers has paved the way for core distributed system patterns and reusable containerized components. This practical guide presents a collection of repeatable, generic patterns to help make the development of reliable distributed systems far more approachable and efficient.What the book is for?
The book describes about example of architecture which is assumed to be built on kubernetes. Yaml files for kuberenetes are also included with explanation as well as the codes.

Who should read the book?

Anyone who would like to know design and architecture patterns for kubernetes.


Impression

It's good as a recipe book. Some basic and easy to apply architecture patterns are described with use cases. It should be one to be recommended to every kubernetes application developers.


2019年8月12日月曜日

SCRUM BOOT CAMP THE BOOKを読んでみた

SCRUM BOOT CAMP THE BOOK




スクラムについて一通り学べる。基礎編と実践編の二部構成になっている。
基礎編で用語や概念が説明され、実践編ではそれをどのように適用していけばよいかが説明されている。

座学で得られる限りの情報はこの本で学べるのではなかろうか。

特に実践編ではスクラムを現場にどのように導入していく様子が漫画のストーリで描かれており、イメージが付きやすい。

スクラム導入のための本としては良本。