はじめの3つは経済・政治に着眼点をおいて書いた本で、最後のは技術トレンドだけに絞った本。
ちょっと毛色が違う最後の本だけ除いて、はじめの3つだけ横断的にコメントしてみると、IT技術としてはAI、IOT、VR・AR・MRが来て、世界情勢的には選挙を控えたヨーロッパでポピュリズムの波が来るぞ、という聞き飽きた話をカバーしながらそれぞれちょっとずつ独自色を出している様子。
2017年 日本はこうなる
話題は多岐に渡っているが一つ一つの掘り下げが甘い。
表面的な説明と根拠のない展望が記載されているだけという印象が拭えない。
例えば、ロボット開発の項目では、政府が「ロボット新戦略」を打ち出していること、それを受けて自治体が動き出していること、そして公と民が連携する必要があることしか記述されていなく、肩透かしを食らった印象がある。
VRの項目では、最後に「本稿では紹介しきれないほど、VRは進化を遂げている」と述べられているので、そもそもあまり深く伝えようとする意図が本書にはないのかもしれない。
日頃から新聞やネットニュースに目を通している方であれば、あえて本書を読んで得るものはないだろう。
おすすめ度★☆☆☆☆
経済がわかる 論点50 2017
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「2017年 日本はこうなる」はトレンドをカバーすることを意識しすぎて表面的になっていたのに対し、本書は「論点」に着眼したために、昨今の変化を見据えて本質的に考えなければいけないこと、これから情報をフォローしていかなければいけないことを得るのに最適であった。それぞれ、きちんと資料と出処が引用されていて、論理に信頼感がある。
2017年末にも、本書の翌年度版をぜひ読みたい
おすすめ度★★★★★