第1章 テクノロジーが雇用と経済に与える影響
第2章 チェス盤の残り半分にさしかかった技術と人間
第3章 創造的破壊ー加速するテクノロジー、消えてゆく仕事
第4章 では、どうすればいいか
第5章 結論ーデジタルフロンティア
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コンピュータのが進化するにつれて、人間に任せるまでもない仕事が増えてきた。
例えば、ここ20年くらいで秘書の仕事が激減したということはよく報じられている。他にも事務仕事は減り続けているだろうし、今後も減少の一途を辿ることももはや常識だろう。
コンピュータの処理速度は日進月歩で向上し、価格の下落も激しい。そのような中、もはや人間が勝負を挑み続けても勝ち目は到底ない。
そこで、勝ち目のない競争(race against machine)を挑むのではなく、上手く利用してやろう(race with machine)、というのが本書の提案となる。
計算能力などでは無類の強さを誇るコンピュータも新しいアイデアを出したり人とのコミュニケーションを必要とする分野ではまだまだ人類を伍する事ができない。コンピュータの演算能力を存分に利用し、価値のあるサービスを提供することが必要となる。
ちょうど、最近、電王戦というコンピュータと人間の将棋の大会が行われた。結果はコンピュータの勝利ということだが、これは単に一つのマイルストーンを確認したに過ぎない。仮に人間側が勝利していたとしても、数年以内には確実に負ける宿命だっただろう。
競技としての将棋は、ちょうどオリンピックの陸上競技のように人間同士の純粋な健闘をたたえ楽しむ形で意義が存続できるという主張も多いが、ビジネスという側面で考えると、またひとつ人間が磨いても金にならない技能が増えたことになる。