Measure What Matters
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Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR
Who should read this?
OKRを会社で導入した、あるいは導入しようとしているが、いまいちこれでいいのかわからなくてしっくりこない感覚を持っている人。
Impression
OKRの使い方はとてもシンプルなものである。わくわくするような目標としてのObjectiveと、それをどうやったら実現できるのか見える化するための指標としてのKey Resultを作成するだけである。ただ、シンプルが故にどのようにでも応用できてしまうので、それを効果的に会社組織に適用するのはなかなかハードルが高い。MBOなどのそれまでの方式と根本的に何が違うのか、という感想は多くの人が抱いたことがあると思う。
「覚えるのは1分 極めるのは一生」はオセロのルールとしてのシンプルさと、ルールを使用したときの奥深さを表す表現として有名だが、OKRにも同様のことが言えるだろう。
本書の前半(Part 1)は、GoogleやIntelなどを始めとする企業がどのようにOKRを導入し、どのような効果を実感しているかが紹介されている事例集となっている。過去の棋譜を読むような気持ちで、先行研究をするのに最適である。
後半(Part 2)は、OKRと並列して導入されるべきツールであるCFRについて触れられている。CFRはCommunication(対話)とFeedbackとRecognition(承認)を意味する。ObjectiveとKey ResultをOKRで設定したあと、CFRによって十分な関係をメンバと築くことが推奨されている。
下記は本書で紹介されていた図である。シンプルでわかりやすく、また個人的にとても印象的だったので、ここに紹介する。OKRを評価・昇給と直接連動しないように切り離したものにしつつ、CFRによって対話・フィードバック・承認を行うことを意味しており、ただ単にOKRだけを導入することの不十分さがひと目で分かる。